2020年07月02日

ソウル障碍人人権映画祭報告

5月下旬に開催していただいた韓国・ソウルでの映画祭の様子を、主催者の方がご丁寧に教えてくださいました。
ご了承いただきましたので、以下にそのご報告の一部を転載させていただきます。

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初夏の気配の漂う5月29日の午後7時、「道草」を上映しました。
空気も映画もとても素敵で、多くの人々が泣き笑いしながら映画をみました。
平日の夕方、しかもコロナウィルスの影響でお客さんが少ないのではないかと心配しましたが、杞憂でした。
多くの人が「道草」を目当てに会場に足を運んでくれました。上映後、アフタートークから出た話や個人的に聞いた話をまとめてお送りします。

 

<ある地域のILセンターで働く方>

登場人物のひとりが電車で人に迷惑をかけて謝るシーンがあったけど、どんな出来事でも地域で関わりを持つ経験はとても大事だと思いました。会ってみないとただ“怖い人”と思われるかもしれません。なので地域でふれあい続け、かかわりを持つのが重要だと思います。自立でもっとも必要なことも人とのかかわり、ふれあいです。“障がい者”として受け入れられるのではなく、一緒に暮らしながら“仲間”や“友達”として平等な立場で同じところを見ていることが一番大事だと思います。

 

<発達障がいの子を持つ家族>

発達障がい者がとる行動を「問題行動」だと言うシーンで「問題とは誰の視点からの定義なのか、健常者の視点ではないか」という疑問を持ちました。映画をみながら羨ましかったことは介護者が24時間寄り添い、障がい者が家で閉じこもるのではなく、お出かけしたり、会話したりするところでした。韓国にも取り入れるべき支援の仕組みだと思います。かかわり方という点で、私たちがどう一緒に生きていくかについて考えさせられました。

 

韓国の多くの入居施設に発達障がいのある人たちが暮らしています。発達障がいへの国の理解や地域で暮らす経験、ケースは少ないです。それによって発達障がい者への介護時間も極めて少ない現状です。韓国の障がい人人権運動の今の課題でもあり、必ず勝ち取らなければならないことでもあります。

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以上です。
ご覧になった方から自主上映のお問合せも多く届いてるそうで、今後映画祭の関係者の方に韓国国内での配給をお願いできるか現在相談しているところです。
上映からさらなる上映の拡がりが生まれることを喜び、国をこえての拡がりに深く感謝します。